洋楽和訳日記

どこにでもいる、ふつーの人のブログ

Good Years - Zayn

<前置き>

元はOne DirectionのメンバーだったZayn。すごいロマンチックというか、「英語圏の人じゃないとこんなに熱烈なラブソングはかけないよなぁ・・・」と思う曲が多いように思う。

少なくとも日本人にはこんな熱烈なラブソングは恥ずかしくて書けないのではないかと思うような曲が多い気がする・・・。メロディが良いので歌詞を見てみたらものすごい濃いラブソングで、見ていて恥ずかしくなってしまった、という経験を持ったことがあるのは私だけだろうか。。。笑

そんな彼の曲の中で、私はこの曲が一番グッときた。ラブソングのようだけれど、私は、ちょっと違う解釈をしている。

One Directionとして活躍し、芸能界に揉まれた中での彼の人生観を反映しているのではないかと思う。

"I close my eyes and see a crowd of a thousand tears" や"Need a chance just to breathe, feel alive and when the day meets the night, show me the light"といった歌詞には、「人生というものは辛いもの(night)だけれど、そんな中でも、生きる喜び(light)を感じさせて欲しいんだ」といったメッセージが含まれているのではないか。そんな気がしている。

ちなみにここの歌詞のnightとlightは、韻を踏みながらも光と闇の対比を彷彿とさせる歌詞となっていて、すごく綺麗だと思う。(lightは、もしかしたら星空の光を指すのかもしれない。)

当たる光が強ければ、その分影も大きくなる。大成功を収めたOne Directionのメンバーとして生きる中で、いろんな大変な思いをしてきたり、世間からの目にさらされて生きる苦しみの中でも、生きる喜びを見出したい。そんなZaynの気持ちが現れている気がした。

私がこの曲を聞いた時に思い浮かんだのが、「グリーンマイル」という映画だ。

もう20年くらい前の映画ではあるが、私はこの映画がとても好きだ。人生において大切なこととは何か。そんなことを考えさせるきっかけになる映画である。

その映画の中で、不思議な能力を持つコーフィは、こんなセリフを残している。

「毎日のように、世界中の苦しみを感じたり聞いたりすることに、疲れてしまった。」

なんとなくだが、このセリフとこの歌の歌詞が、リンクする気がした。

コーフィのこのセリフは、なんとなくだけど共感できる。

生きていると、辛いことがたくさん起きる。時には自分が消えてなくなりたいとおもうほど。自分の無力や無能さに打ちひしがれて、悲しくなる。ニュースを見れば悲しい出来事が毎日起きている。みんなが、悩むことなく、悲しむことなく、心から幸せに生きることのできる世の中になってほしいのに。

多分だが、悲しみや悩みを持たない人間はいない。

この歌の歌詞の"when the day meets the night, show me the light"という歌詞のように、自分の心に灯りを灯してくれる人、光を与えてくれる人、心の中の雨を止める傘や太陽のような存在となる人に出会えることこそが、人生で一番の幸せなのかもしれない。

 

<歌詞和訳>

***

I'd rather be anywhere

Anywhere but here

ここではないどこかに行ってしまいたい。

I close my eyes and see a crowd of a thousand tears

目を閉じると、たくさんの人が悲しんでいる姿が見える。

I pray to God I didn't waste all my good years

僕は神に祈るんだ。僕のかけがえのなかった年月には、意味があったのだと。

All my good years

僕のかけがえのなかった年月。

All my good years

僕のかけがえのなかった年月。

***

The voice screaming loud as hell

地獄から聞こえるような叫び声

We don't care 'bout no one else

僕たちは他の人たちのことなんて気にしないよ。

Nothing in the world could bring us down

どんなことがあっても、僕たちは傷つかないよ。

Now we're so high among the stars without a worry

今はもう、何の心配もいらない、星空と同じ高みにいるから。

And neither one, one of us wants to say we're sorry

僕たちのどっちも、自分が悪かった、なんて言いたくない。

 

***で囲われている部分繰り返し

 

Too much drugs and alcohol

多すぎるドラッグとアルコール

What the hell were we fighting for?

僕たちはなんのために戦っていたのだろう?

'Cause now the whole damn world will know

That we're too numb and just too numb to change the story

だって、世界はそのうちわかるのに。僕たちには物語を変える力などない(僕たちは、人生という物語を変えるには無力で力不足なのだ)と。

Neither one, one of us wants to say we're sorry

僕たちのどっちも、自分が悪かった、なんて言いたくない。 

 

***で囲われている部分繰り返し

 

Need a chance just to breathe, feel alive

息をして、この世に生きているのだと実感するきっかけが必要なんだ。

And when the day meets the night

Show me the light

夜を迎える時には、僕に光を見せて欲しい。

(夜を迎える時には、光を灯して欲しい。)

Feel the wind and the fire hold the pain deep inside

風と炎が苦しみを奥底に抑えるのを感じる。

It's in my eyes

僕の目の中にある苦しみを。

In my eyes

僕の目の中にある苦しみを。

 

**で囲われている部分繰り返し

 

I pray to God I didn't waste all my good years

僕は神に祈るんだ。僕のかけがえのなかった年月には、意味があったのだと。

All my good years

僕のかけがえのなかった年月。

All my good years

僕のかけがえのなかった年月。

 

<補足説明>

I didn't waste all good yearsは、直訳すると「すべての良き日々・年月を無駄にしなかった」ですが、「無駄」という言葉がちょっとどうかなという気がしたので、「無駄にしなかった」→「大切にした」→「多かれ少なかれ意味があった」と解釈し、「僕のかけがえのなかった月日には、意味があったのだと。」とちょっと飛躍気味ですが意訳しました。

翻訳して思いましたが、やっぱり日本語って美しい。

例えば、「永遠に」を「えいえんに」と読ませるのか「とわに」と読ませるのかでもニュアンスや響きがだいぶ変わってきます。読み手に与える印象もだいぶかわってきます。

それと同じで、今回出てくる(all good) yearsも、「日々」とするのかyearのニュアンスを尊重して「年月」や「月日」とするのかでもだいぶ変わってきます。そして実際にかなり悩んだところです。

多分、長い年月の中のかけがえのなかった1日1日を指すと思うので、「日々」にしようかとも思ったのですがyearのニュアンスを尊重して「年月」としました。

誤訳のないよう、気をつけてはいます。いっぱしのエンジニアですがTOEICスコア900点以上は一応持っており、「全くの的外れな誤訳だらけのぼろぼろな和訳」ということにならないように気をつけているはずですが、翻訳というのは本当に難しい作業であり、言語をマスターするというのは自分には限界があるというのは十分承知しているので、もし誤訳があっても、お許しいただければと思います。。。

多くの場合において解けば答えに必ずたどり着くことのできる理数系科目とは違い、英語とは、「答えのわからない数式を永遠と解き、かつ、解いても解いても解けている実感を持てない作業」ではないかと思います。。。(理数系科目でもそういうところあるけど、英語と比べると多分次元が違う気がする。。。)

数学や理科は、たくさんの事象をいかにシンプルに表すことができるか、に力点を置いていて、そういう点でとても綺麗な科目です。シンプルイズザベスト。

無駄なことを極力省いて、エッセンスのみをぎゅっと詰め込んだ美しい数式・コードを考える。そういうところが好きな私からすると、英語は本当に大変な科目です。。。

でもわかると楽しいのは、どの科目も一緒ですね。わかるようになるまでの工程が全く違いますが。

 

<終わりに>

前回も今回も少し重めの曲の和訳だったので、次回はもうちょっと明るい曲にしてみようかな。。。